地方制度の見直し論議の活発化をうけ、青森、秋田、岩手の東北3県が、将来の都道府県再編も視野に広域連携を本格化する研究会を月内に発足する。23日に初会合を開く。3県はすでに合同で産業廃棄物税を導入する方針を固め、北海道などの出先機関の一元化を進めている。将来の道州制導入や県合併論を念頭に置いた取り組みで、総務省も3県連合の動きに強い関心を寄せている。
北東北3県の連携は、木村守男・青森、寺田典城・秋田、増田寛也・岩手の3知事が主導している。新たに発足する「北東北広域政策研究会」は農業、環境など幅広い分野で実務者が広域行政のテーマを検討し、連携を重層化。さらに将来の県再編の在り方まで踏み込んだ協議をする。青森県の木村知事、秋田県の寺田知事はともに道州制や県合併の議論を深める姿勢を明確にしているうえ、岩手県も「実績重ねが主眼」(幹部)と研究会を通して協力関係を深める考えを示しており、総務省は県レベルから起きた再編に向けた動きとして注目している。
3県は97年から知事のトップ協議を定例化し、産業廃棄物税の合同導入に取り組み、足並みをそろえ今年度の条例制定を目指すことで基本合意した。3県はすでに福岡で合同事務所を設置しているが、今月に入って北海道の事務所を統合。来年春には大阪、名古屋の事務所も統合する。
政府・与党には市町村合併が進めば、都道府県制の見直しも将来的に避けられないとの見方が強く、地方制度調査会(首相の諮問機関)は全国を十数ブロックに分ける「道州制」も含めた議論に着手している。 【人羅格】