本日(4・11)午前NHK衛星1で放送された「ABCワールドニュース」は、ニューヨークの検事総長が、メリルリンチから他の大手証券会社6社のアナリストに捜査を拡大していることを認めたことを報じた。
今週、メリルリンチに利害の衝突を避けるために業務改善命令を出した。
いくつかの大手有名企業が、“意図的”に誤ったアドバイスを顧客に行っていた容疑で捜査された。
キャスターは、「これは、ウォール街でずっと闇に隠されてきた汚い秘密でした」と説明し、「投資銀行ビジネスで利益を上げるいちばんいい方法は、顧客たちに株を買わせることです。たとえ、アナリストが“お奨め”ではないと判断してでもです」と続けた。
現在、メリルリンチ他多くの証券会社に捜査のメスが入っており、捜査当局に近い消息筋に確認したところ、ウォール街で最大手の6社が既に召喚されているか、10日(現地時間)には召喚されるという。
[対象証券会社]メリルリンチを除く
● ゴールドマン・サックスグループ
● クレディスイス&ファースト・ボストン
● モルガンスタンレー
● UBSPaine Webber
● ソロモン・スミスバーニー
● ベアー・スターンズ
捜査当局は、他の会社でも、メリルリンチで決定的な証拠となったeメールと同じようなものを見つけたいとしている。
N.Y.検事総長Ekiot Spitzer氏は、「投資銀行を助けるために、株式の評価が歪められ捏造されている。メリルリンチの本当の判断ではないとアナリスト自身が考えていたことがeメールによって発覚した」と語った。
2000年10月20日の社内メールによると、メリルリンチの花形インターネットアナリストであるヘンリー・ブロジェット氏は、インフォスペースの株式を“ジャンク”(まったく価値がない)と判断したが、メリルリンチは、顧客に“買い推奨”を行った。
2000年11月16日のeメールでアナリストは、「スミス夫妻は、退職後の貯えを失いつつある。なぜなら、我々は、GOTO.COMの最高経営者の怒りを買いたくないからだ」と書いている。
メリルリンチは、顧客に、GOTO.COMの株式を売るようには決して言わなかった。
メリルリンチは、違法行為を否定している。
「eメールは文脈から切り離されて解釈されている」と主張している。
キャスターは、「しかし、捜査対象がどんどん広がっていることを考えると、投資家たちは、証券会社が言っていることを信じないと思う」と締めくくった。
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★ このような捜査や報道が行われる意図は何でしょうか?
米国は正義が生きているとうのであれば、「エンロン破綻詐欺」が問われなければならない。
このスキャンダルが大きくなっていけば、「株価下落」につながっていくと思うが、それが意図なのだろうか?
簡単に、2000年春からのナスダック「IT株式バブル崩壊」を振り返ってみる。
ナスダック総合指数の最高値は、2000年3月10日の5,048ポイントである。
2000年4月14日に史上最大の暴落を記録し、「IT株式バブル崩壊」が語られるようになった。
そして、日本の「株式バブル崩壊」と同じような軌跡を経て、およそ9ヶ月後の2000年11月30日に2,597ポイントを付け、最高値からおよそ半値(48.5%の下落)になった。
翌年2月には、現在とほぼ同水準の1,900ポイントまで下落した。