竹中平蔵経済財政担当相は12日から中国・海南島で開かれる「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」で、為替問題などをめぐる日中のマクロ経済協議を提案する。日中の相互依存関係が強まるなか、競争力低下に悩む日本の製造業などは人民元の切り上げを望んでおり、政策協調のための定期協議の場を設けるのが狙いだ。竹中担当相は、アジアで2国間の自由貿易協定を幅広く進める方針も表明する。
竹中担当相は、フォーラム全体会合での基調講演「日本の対外経済政策の新しいスタンスについて」の中で定期協議を提唱する。小泉首相も朱鎔基首相との首脳会談で触れる見通しで、中国側も検討を始めることになりそうだ。
講演では、日中両国のリーダーシップと政策協調の必要性を訴える。定期経済協議のテーマとしては、円と人民元の為替レートや金利の調整、資本移動の点検などを提案。規制緩和や知的所有権などの制度問題も取り上げるよう求める。
国内製造業の中国進出が加速する中、人民元のレートは、日本側の競争力低下の一因になっている。緊急課題でもある為替レートについては、定期協議に先立つ共同研究で対話の枠組みを作りたい考えだ。