【サンパウロ=窪田淳】
カラカスからの報道によると、有力産油国であるベネズエラの国営石油会社(PDVSA)は10日、不可抗力により原油や石油製品の輸出契約の一部が不履行になったと宣言した。
同国では、チャベス大統領のPDVSA幹部人事への介入をきっかけに政府とPDVSA職員との対立が深刻化。チャベス政権への不満を強める労組などがPDVSA職員を支援するため、9日からゼネストに突入した。
これまで公式には生産活動に支障はないとしていたPDVSA側は10日になってストの影響を認めた。カムコフ副総裁は輸出の一部不履行は昨年末の石油輸出国機構(OPEC)の減産決定が直接の要因としながらも「内部の問題により輸出が遅れるなど、正常な状態にない」と述べた。
11日早朝までのゼネストを呼び掛けた同国最大労組のベネズエラ労働者連盟(CTV)は、政府の対応次第では無期限に延長する構えを見せている。