竹中経済財政担当相は、次回の経済財政諮問会議で、デフレ対策について議論するとしたうえで、この時点で景気対策的なものを行うのは違うとの印象をもっている、と述べた。
月例経済報告関係閣僚会議後の会見で述べたもの。
竹中経済財政担当相は、景気が下げ止まりから底入れを探る状況のなかで新たなデフレ対策が必要なのかとの議論について、「政府が言っているデフレ対応策は金融面に焦点を対策である。日銀がいくらハイパワードマネーを出しても、そこで金融仲介機能が低下しているために、マネーサプライが増えない。不良債権問題という構造問題があるわけであり、これは循環的な景気によらず積極的に進めていかないと行けない」と述べた。さらに、「税や財政措置を伴う政策に関しては、効果が出るまでタイムラグがある。この時点では景気対策的なものをやるのは、政策の考え方としては違うのではないか、との印象を持っている。構造的なものは、むしろ循環的に良くなった時期にこそ思い切ってやらないといけない」との考えを示した。
また、同相は、追加的なデフレ対策について、来週16日の経済財政諮問会議において与党のデフレ対策も参考に議論したい、としたうえで、「2月のデフレ対応策の進ちょく状況を点検する。特別検査の結果に基づいた不良債権処理の進ちょく状況を点検する」とした。
このほか、竹中経済財政担当相は、4月月例経済報告で景気の基調判断を2カ月連続で上方修正したことについて、「前月は輸出、生産、在庫などに着目して上方修正したが、それぞれの点についてさらにもう一歩進んだ状況が出ている」と語った。同相は、景気底入れの時期について、「中東情勢などリスクファクターがあるが、米経済が予想通りの状況で推移するなら、そう遠くないうちに議論することも可能ではないか」との認識を示した。
なお、同相は、明日11日の日銀金融政策決定会合には海外出張のため出席できない、ことを明らかにした。