経営破たんした流通大手「マイカル」(本社・大阪市)の社債を、山口、静岡など全国10の県信用農業協同組合連合会(県信連)が1995年以降、購入していたことが10日、読売新聞の調べでわかった。
購入総額は少なくとも90億円で、一部は売却できず保有したまま。各県信連は「当時は利回りがよく、専門機関の格付けも高い優良な運用先だった」と強調しているが、購入時の5%の価格で売却するなど大きな損失を出したケースもある。
ほかにマイカル社債を購入していた県信連は、滋賀、新潟、青森、山梨、石川、茨城、山形、鳥取。
購入額が最も多かったのは山口の40億円。次に多かった静岡は、96年に23億円分を購入し、マイカル破たん後の昨年10月、1億1500万円で売却。損失は、国債や地方債などの売却で埋め合わせた。
滋賀も、97―98年に計8億円分を購入。順次売却したが、価格は計4000万円。ただ、2001年度決算は黒字になるという。