金融庁の特別検査結果を踏まえて、大手行が12日に発表する02年3月期の自己資本比率(経営の健全性を示す指標)で、あさひ銀行が8%台、大和銀行が9%前後に低下する見通しとなった。関係筋が10日、明らかにした。4大グループなど他の大手行は10%台を確保する見込みで、特別検査による不良債権処理を通じて大手行の体力差が鮮明となった。
合併するあさひ、大和両行は4大グループと異なり、すでに国際業務から撤退している。このため、自己資本比率の健全基準は国内行に適用される4%で、この基準を大きく上回ることから、金融庁は「経営の健全性に問題ない」とみている。
01年9月中間期の自己資本比率は、あさひが10・5%、大和も10・1%を確保していた。また、昨年11月時点で公表した02年3月期決算の業績予想では、あさひが9%以上、大和も10%程度の自己資本比率を見込んでいたが、特別検査による不良債権処理や保有株の含み損処理が膨らみ、自己資本比率も予想より低下することになった。
両行は現在、持ち株会社「大和銀ホールディングス」傘下にあり、来年4月をめどに合併し、経営効率化を通じて、収益力の強化を図る。