ワシントン(ウォール・ストリート・ジャーナル)米大手会計事務所アーサー・アンダーセンの元会計士、デビッド・ダンカン氏は9日、連邦検察当局との司法取引の一環として、米エネルギー大手エンロン(ENRNQ)の監査書類の破棄を指示したことによる司法妨害の罪を認めた。1月にアンダーセンを解雇されたダンカン氏は、エンロン監査を担当していたため、検察当局に今後協力することによって、エンロンによる特別目的会社を利用した複雑な簿外取引を解明する上で重要な役割を果たすとみられている。
検察当局は9日、ダンカン氏が他のアンダーセン従業員に書類破棄を指示し、証券取引委員会(SEC)による調査を妨害したとして、同氏を起訴した。ダンカン氏は起訴の数時間後、連邦地裁での罪状認否で起訴事実を認めた。同氏は、同地裁のメリンダ・ハーモン判事に対し、SECがエンロンの調査に入ったことを知った2日後の昨年10月21日、部下に書類破棄を指示したとし、「私個人もこれら書類を破棄した。私の行為が連邦法に違反したことを認める」と述べた。
司法妨害で有罪判決が下ると、罰金と最長10年の懲役刑が科されるが、検察当局との司法取引により、ダンカン氏に対する罰がどの程度軽減されるかは不明。ダンカン氏に対する判決は8月26日に言い渡される。
司法省に起訴されたアンダーセンの法廷審理は、5月6日に予定されている。アンダーセンのシニアパートナーだったダンカン氏が有罪を認め、検察当局に協力することは、無罪を主張するアンダーセンにとっては痛手となる。
部分的な免責をすでに認められているダンカン氏は、エンロンの監査書類を昨年10月から大量に破棄しはじめたのは、本社からの電話や電子メールがきっかけだったことを捜査当局にこれまでに明らかにしている。(ダウ・ジョーンズ)
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