日銀が10日朝発表した3月の貸出・資金吸収動向等(速報)によると、銀行5業態(都市銀行、長期信用銀行、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行)の月中の貸出平均残高は438兆700億円となり、前年同月比4.5%減となった。前月と比較して5カ月ぶりに減少幅は縮小した。ただ、1998年1月以降51カ月連続して前年同月割れとなるなど、銀行の貸し出し姿勢や企業の資金需要が依然弱い状況が続いている。
業態別では、都市銀行の月中貸出平均残高が198兆4500億円と同5.8%減となった。前月からは横ばい。このほか長期信用銀行が同11.9%減となったほか、信託銀行は同5.5%減、地銀が同0.7%減、第二地銀が同4.2%減となった。
銀行などの金融機関によるコマーシャルペーパー(CP)の引き受けは20兆3800億円と、前年同月と比べて9.0%増加した。
同時に発表した2001年度の貸出平均残高は、前年度と比べて4.2%減少した。前の年度の水準を下回るのは97年度(同0.3%減)以降5年連続。