国際通貨基金(IMF)は9日、来週公表予定の世界経済見通しの一部として各国の過去の景気後退(リセッション)を分析した報告を発表した。この中で日本のリセッションについて「第2次大戦後の先進国経済で唯一、デフレを伴っており、異例中の異例の動きを示している」との認識を示した。
米国を中心とする昨年来のリセッションについては「70年代、80年代と比べて浅いものにとどまった」と指摘。情報技術(IT)の進展による企業の在庫管理技術の向上や堅調な消費などが景気後退の深まりを防いだとした。
唯一の例外が日本。金融機関の不良債権問題や非効率な企業が温存される構造改革の遅れなどが原因で、「1993年以降、3回のリセッションを経験している」としている。ロゴフ調査局長は「他国と比較して日本は極めて例外的な存在」と語った。(ワシントン=吉次弘志)