企業が運営する健康保険組合と厚生年金基金の2001年度の解散数がいずれも過去最多となったことが9日、厚生労働省のまとめで分かった。26の健保組合、59の厚生年金基金が解散し、最多だった2000年度の16組合、29基金をそれぞれ大幅に上回った。長引く不況で、母体企業の倒産やリストラによる加入者の減少などが理由とみられる。
健保組合の解散は、保険料の事業主負担が重荷になっていることや、高齢化による医療費の増加も背景にある。2001年度は流通業の解散が目立った。健保組合が解散すれば、加入者は原則として、社会保険庁が運営する政府管掌健康保険に入るが、組合が独自に医療費の患者負担の一部を肩代わりしている「付加給付」は解散後なくなり、患者の負担は大きくなる。
代表的な企業年金である厚生年金基金の解散は、株価低迷で年金資産の運用が悪化し、予定利回りを下回っていることも影響している。母体企業は不足分の穴埋めをしなければならず、追加負担を回避するために解散を迫られるケースが相次いでいる。
(4月9日18:54)