【ニューヨーク8日時事】
パレスチナとの紛争激化を背景にイスラエルから米国への資金逃避の動きが加速している。ニューヨークの金融関係者が8日、明らかにした。
1998年に国民の海外口座保有を認めて以降、イスラエルの一部富裕層が欧米諸国に投資を分散してきた。同関係者によれば、最近は1万〜5万ドル(132万〜660万円)程度の預金口座開設といった比較的小口の資金移動が増えてきたという。
また、米国での口座開設だけでなく、不動産投資も目立っている。ニューヨークの大手不動産会社ダグラス・エリマンによれば、同社だけでも毎月数件、マンハッタン内の居住用物件でイスラエル人との契約が成立するようになった。こうした状況について同関係者は、「対米投資が大口のものから小口化しており、富裕層だけでなく、庶民も資金を米国に逃避させている表れではないか」と指摘している。