大手銀行の大和銀ホールディングス(大和銀HD)傘下の大和、あさひ両行の2002年3月期の不良債権処理に伴う損失額が、昨年11月の前回予想より約2500億円増え、計8200億円程度になることが9日、明らかになった。
また、大和銀HDは大和、あさひ両行を2003年度中に合併して、首都圏と関西圏を営業基盤とする「広域銀行」とする一方、あさひ銀行の埼玉県地域を分社化する方向で調整している。合併行の存続銀行は、信託業務を引き継ぐため大和銀行とし、傘下銀行の名称は「理想」をイメージさせる造語の「りそな」に変更する方針だ。
これにより大和銀HDグループは、都市銀行の「広域銀行」のほか、埼玉、大阪、奈良をそれぞれ地盤とする「地域銀行」3つに加え、既に大和銀行から分離した「信託銀行」に再編される。
大和、あさひ両行の不良債権処理損が、前回予想の1・4倍に拡大したのは、金融庁の特別検査を踏まえて査定を厳格化し、貸し倒れ引当金を積み増すなどしたためだ。あさひ銀行が優先出資証券を700億円発行して資本を増強しており、不良債権処理を拡大しても大和銀HDの自己資本比率は8%台半ばを維持できると見られる。
(4月9日14:43)