内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査結果によると、3カ月前と比べた景気
の現状を示す判断指数(DI)=「合計」のグラフ=は43・9と前月より10・8ポイントも改善。
現状維持を示す50を20カ月連続で下回ったが、5カ月連続で改善し改善幅は00年1月の
調査以来、最大だった。
この調査は景気に敏感なタクシー運転手ら全国の2050人を対象に実施。有効回答率は
88・6%だった。
レジャーのほかIT(情報技術)を中心とした輸出、通信関係の回復が目立ち、同府は「景
気の下げ止まりは確認できた」と分析している。
全体の水準は00年12月(44・4)と同程度まで戻ったことになり、家計動向関連は同1
1・6ポイント改善して45・1。「国内旅行は一気に回復軌道に乗っている」(北海道・旅行代
理店)、「高額品が予想以上に売れている」(四国・衣料品専門店)などの声が相次いだ。
企業動向関連は「大型案件の受注が増加している」(北海道・通信業)などの報告が増
え、42・6と同8・6ポイント改善。雇用関連も輸出やサービス関連企業の求人の増加で同1
0・2ポイント改善し、38・4まで持ち直した。
地域別では、四国が同13・6ポイント改善の47・2となったほか、沖縄が63・1と地域別
では過去最高を記録。00年3月以来、24カ月ぶりに全地域で改善し、沖縄を除く10地域
では改善幅が過去最大となるなど、明るさの兆しが見え始めている最近の景気動向を裏付
けた。
同府は「すべてが良いわけではなく、まだら模様の改善となっている。雇用の先行きも楽
観はできない」と警戒感を示しながらも、「3月に入ってからの気温の上昇や、輸出の回復な
どで、財布のひもが少し緩んでいるかもしれない」とみている。 【白戸秀和】