柳沢伯夫金融担当相は8日夕、首相官邸で小泉純一郎首相、福田康夫官房長官と相次いで個別に会談した。金融相は会談後、官邸で記者団の質問に答え、会談の議題は「今の状況報告」と述べるとともに、大手銀行に対する特別検査結果の発表日時について「12日で決めた。一生懸命やっても多分(午後)3時以降になるでしょう」と語った。特別検査結果の概要については「まだ固まっていない」と述べた。
また、官邸から金融庁に戻った際、金融相は記者団に対し、特別検査の発表後も、特別検査の継続を含めた今後の検査の在り方について検討する考えを示した。
首相「切れ目なく手を打つように」
金融相は「発表は12日で決めた」との方針を明確にしたうえで、「大体、どんな作業をしているのか、中間報告ということで(首相に)お話をした」ことを明らかにした。
これに対し、首相は「ペイオフが実施されたこともあり、金融システム安定のために不良債権処理をさらに進め、切れ目なく手を打ってもらいたい」と指示したという。
金融相は首相の指示を「何か措置を検討しろ、ということだろう」として、追加策の検討もあり得ると示唆。さらに、「特別検査の結果を盛り込んだ銀行の決算を受けて、さらに不良債権処理を進めることを考えないといけない」との考えを示した。
「特別検査を今後も継続するか」との記者団の問いには「そういうことも含めて検討する。特別検査をずっとやれば、“特別”ではなくなる。どんな検査体制が良いのか考えたい」と語った。
これについては、森昭治長官も同日夕の定例会見で「右肩下がりの経済状況では、通常検査のなかで(特定の債務者に関する)リアルタイムの検査を拡充する余地はあると思う」と述べており、今後の通常検査に特別検査の手法を採り入れることもあり得る、との考えを示した。
みずほのシステム障害も報告
また、金融相は、みずほフィナンシャルグループで発生したATM(現金自動預払機)のシステムトラブルについても、首相に報告。「業務改善命令を含めた対応を考えているのか」との質問には、「そこまでいくかどうかは、わからない。(銀行)法に基づいた適切な手立てをとっていくだけだ。総理は説明をよく聞いているという感じだった」と説明した。
みずほのシステム障害に関しては、森長官も同日夕の会見で「銀行の、いわば生命線ともいうべき決済機能に対する国民の信認を低下させたことは、きわめて重大。まことに遺憾である」と批判。また、「当局も、書面審査や度重なるヒアリングを通じ対応を促してきたが、結果として、トラブルが起きたのは事実。準備不足といわざるを得ない」と、みずほの対応に不備があったと認めた。
今後の復旧見通しについて、長官は「口座の振替遅延障害などがまだあるようなので、今週半ばまでの完全正常化に向け、全力をあげてもらいたい。今後は絶対にこのようなトラブルが起きないシステムにできるか、現在、最終点検中だ。血眼になって努力するよう、われわれも促している」と話した。
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