【シドニー=大石信行】オーストラリアの銀行最大手ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は8日、全従業員の約5%にあたる2050人を来年中に削減すると発表した。2004年末までの人員削減による経費削減額は3億7000万豪ドル(約259億円)になる見通し。同行は昨年売却した米国の住宅ローン子会社ホームサイドの経営が、米金利の大幅低下で悪化したことから、22億ドルを評価損として計上。これを受けて2001年9月期の純利益も前期比35%減少し、抜本的な経営改革を求められていた。
NABは同時に、国内支店数の7%に相当する56支店を今後5カ月以内に閉鎖する。支店が無くなった地域での業務は、国営郵便局のオーストラリアン・ポストに引き継ぐ。