ビクターの前期、特損151億円積み増し
日本ビクターは8日、2002年3月期の連結最終損益が449億円の赤字(前の期は24億円の黒字)になったようだと発表した。従来予想は290億円の赤字だった。特別損失151億円を積み増すのが大きい。株式相場の低迷で保有する銀行株式の評価損が発生したうえ、今期(2003年3月期)末までに計画する人員削減など構造改革にかかる費用を前倒しで計上するため損失が膨らんだ。
株式評価損は主力行の三井住友銀行やみずほホールディングス株式が中心で71億円を計上する。構造改革関連費用では134億円を計上する。昨年10月の中間決算時には54億円を見込んでいたため、80億円の積み増しとなる。早期退職による特別退職金や子会社再編費用などが積み増しの中心。本体人員は3月末現在で9400人だが、これを今期末までに早期退職などで1000人減らす。従来は3月末までに9100人に減らしたうえで、来年3月末で8600人体制にする計画だった。削減数は従来計画を上回る。費用前倒し計上を機に改革を急ぐ。