日立製作所は8日、情報技術(IT)不況による業績の急激な悪化に対応するため、2月から募集を始めたグループの早期退職優遇制度に予定(4000人)の倍以上の9000人が応募したことを明らかにした。6月末までに退職する。
日立は同制度以外にも、国内外のグループで1万6350人の人員削減計画があり、合計すると削減数は2万5350人に膨らむ。電機大手の中では富士通の2万2000人を上回る最大規模となる。
応募者には割り増し退職金が支払われ、募集開始時点では計670億円を見込んでいたが、1000億円規模に拡大するもよう。今年3月期決算で損失処理するが、連結純損益で4800億円の赤字に陥るとした先の業績予想の再修正はしない。
早期退職優遇制度は40歳以上の日立本体と一部国内子会社の社員が対象。年収ベースで最大2.5倍を退職金に上乗せする。2月21日に募集を始め、3月29日に締め切った。
応募者の大半は50歳以上。予想の倍以上に増えたのは、60歳の定年を控えて、早めに転身を図った方が有利と考えた社員が多かったためとみられる。