大規模なシステム障害が発生したみずほフィナンシャルグループは7日、コンビニエンスストアに設置されたATM(現金自動受払機)約4000台の振り込みサービスを同日朝から再開したと発表した。1日朝からみずほ銀行のATMで続いていた障害は、発生から6日後に全面復旧したことになる。
8日からは、250万件の口座振り替え遅延の処理に全力を挙げ、今週中の復旧を目指す。
5日設置された電話相談窓口には、7日午後5時までに計約8000件(7日だけ2300件)の問い合わせが寄せられた。
また、みずほ銀行は7日朝から、東京都千代田区内幸町の本店に全国の支店長ら約700人を集め、説明会を開いた。工藤正頭取が「障害の早期復旧と顧客への対応を最優先に行う。営業店は顧客本位で対応してほしい」と指示した。
この日の会議は本来、新体制発足後の経営戦略を徹底する目的で予定していたが、急きょ内容を変更した。しかし、障害が長期化しているほか、統合前の見通しの甘さや顧客軽視の対応に批判が高まっており、経営陣の責任問題が浮上するのは必至の情勢だ。
システム障害は、旧第一勧業、富士、日本興業の3銀行が、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行に再編された1日朝に発生。キャッシュカードが統合前の銀行のATMしか利用できなかったり、コンビニのATMで旧3行のカードが使えなくなった。
さらに、公共料金の引き落としなど250万件の口座振り替えに遅れが出たほか、クレジットカードによる支払いなどの二重引き落としが約3万件、誤送金約5000件起きるといったトラブルが相次いで判明した。 【吉原宏樹】