三井住友銀行は企業向け貸出金利に信用力などを反映する新しい貸出制度を導入する。新たな標準金利を設け、貸出先に応じて最大4%程度の格差をつける。大手も含め信用力の低い企業向けは1-3%の利上げになるとみられる。不良債権問題でもろくなった財務体質の立て直しが狙いで、他の大手銀行も追随する見通し。
銀行は市場金利を基準に、銀行が判断する企業の信用力に見合った貸出金利を目指してきた。しかし、企業の抵抗などで難航しているため、西川善文同行頭取が6日までに支店長や企業取引責任者など約1000人に貸出制度を一新する方針を伝えた。三井住友銀の新貸出制度は、貸出金利と企業の経営内容との関係を明確にしたのが特徴。金利は経営が健全な正常先向けから、回収に注意を要する要注意先まで5段階に分けた。今後取引先企業に、銀行がその企業の信用力をどう判断したかを示し透明性を高めたうえで、金利交渉を始める。