日銀の増渕稔理事は6日、TBS系BS(放送衛星)デジタル放送局の番組に出演し、量的金融緩和で大量の資金を供給するのに「現在は国債を買うことを含めて手持ちの手段で十分だ」と述べた。このため、一部で浮上している資金供給手段として日銀が外債などを購入することについて「手を出す必要はない」と慎重な姿勢をみせた。日銀は総裁・副総裁を含む9人の政策委員で金融政策を決めており、理事に決定権はない。ただ増渕氏は金融政策の企画部門を担当している。
日銀は資金供給のために金融市場から国債などの資産を購入しており、増渕氏は各種資産の価格を上げるために日銀が資産を買うことに疑問を呈した。そのうえで「(資産価格を上げることが)望ましいというならば、政府の政策としてやるべきだ」と主張した。今後の金融政策については経済情勢次第としならがも、「中央銀行としては越えてはいけない一線がある」と強調。日銀の資産劣化につながりかねない資産の購入について否定的な考えを示した。