生命保険会社の国債投資が着実に増え、銀行に代わる買い手として存在感を増してきた。2001年に生保は2年ぶりに国債買い越しに転じ、年末の残高として初めて30兆円を突破した。5年ぶりに売り越した銀行と対照的で、今年に入っても同様の傾向だ。生保のこうした姿勢が続けば、銀行の国債離れによる長期金利上昇懸念も和らぐ可能性がある。
生命保険協会の調査をもとにした日銀統計によると、2001年末の生保の国債保有残高は31兆1900億円で、前年末比約4兆円増えた。前年末の数値は当時経営破たんしていた一部生保の保有分が抜けており、年間の増加額は実勢より過大評価されているものの、生保協によると残高は2002年1月末にはさらに1兆円以上増えた。生保は、顧客から預かったお金を様々な形で運用し保険金支払いなどに備える。国債投資が増えたのは、景気低迷で企業などへの貸し付けが減り、株価低迷で株式投資にも慎重になったため。