西友を買収する世界最大の小売業、米ウォルマート・ストアーズが昨年秋、同じ大手スーパーのイオンにも資本・業務提携を持ちかけ、破綻(はたん)したマイカルとともに傘下に入るよう打診していたことが分かった。独自路線を歩むイオンが拒否して話はまとまらなかったが、ウォルマートが日本進出で幅広い選択肢を検討したことをうかがわせる。
「イオンがマイカルを買収するなら、その資金を提供する。ただし、イオンは私たちのグループに入ってほしい」。関係者によると、昨年10月下旬、ウォルマートの海外部門の幹部が来日。岡田元也イオン社長らと意見交換する中で提携話を持ち出した。「われわれが提携すれば、他の外資系スーパーがイトーヨーカ堂と組むなど業界再編が加速するだろう」といった見通しも示した。
会談当時、両社を含む複数の会社がマイカル支援に名乗りを上げ、条件交渉に入っていた。ウォルマート幹部は「マイカルを買収できなくても、西友やダイエーなどと手を結ぶこともできる」と牽制(けんせい)。日本進出に強い意欲を示していたという。(08:22)