東京 4月5日(ブルームバーグ):塩川正十郎財務相は4日午前の閣議後会見で、検討が進んでいる政府系金融機関の見直しについて「今そんなことをすれば日本の金融はめちゃくちゃになる」と述べ、あらためて慎重な姿勢を示した。
財務相は、「一刻も早く、民間の銀行が金融機能を取り返し、不良債権問題や自己資本比率などで騒ぐような状態から脱却し、産業界と一体となった新しい金融活動を始めた段階で、政府系金融機関が民間に介入しない特化された金融機関として脱却すればよい」と主張。
そのうえで、「今の状況で政府系金融機関が手を引けば、日本の中小企業や一般国民の生活を支える庶民金融は一体どうなるのか。大変なことになる」と危惧をあらわにした。
RCCの機能見直しを
また、財務相は整理回収機構(RCC)について、「2次ロスを出してはいけないということで、非常に厳格な査定でしか(不良債権を)受け取らない。銀行は評価額を切って売りに出すこともできない。その間で負担のなすり合いが行われ、RCCによる不良債権処理が進んでいない。ここに不良債権処理問題の根本がある」と指摘し、機能強化の必要性をあらためて強調した。