本日(4・4)午前NHK衛星1で放送された「ABCワールドニュース」は、中東情勢が緊迫するなかで原油問題を取り上げた。
まず、「米国が原油を中東に依存している割合はどの程度だと思うか?」と問いかけ、「おそらく半分ぐらいだと思っている人が多いのではないだろうか」と続き、「実際のところは、中東から輸入されている原油は全体の10%にも満たない」と説明した。
[米国で消費される原油の供給先]
米国(アラスカ・テキサス中心):50%
メキシコ:10%
カナダ:10%
ヴェネズエラ:10%
ナイジェリアその他:10%以上
中東:10%未満
※ ブッシュ政権は、ロシアに原油増産を求め、プーチン政権もそれに応えようとしているので、1、2年のうちには完全に「中東原油」に依存しない構造ができあがるはずだ。
「ABCワールドニュース」は、他の地域や国はと続けて、
[EUの中東原油依存率]
30%
[日本の中東原油依存率]
65%
と説明した。
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現在のような情勢下でこのような指標を報じる目的はわからないが、中東がおかしくなっても、米国はそれほど困るわけではないということのようだ。
(国際商品である原油の価格は上昇するが、原油の供給が途絶えることはないということ)
3大経済圏のなかで中東情勢がおかしくなっていちばん困るのは、日本ということになる。中東情勢がおかしくなれば、日本は、原油価格が上昇するだけではなく、原油そのものが限定的にしか入ってこなくなる。
中国は、原油純輸入国になったが、ほとんどを自国の原油でまかなっている。
外務省は、鈴木宗男代議士問題を梃子に“ロシアとの関係拡大派”を粛清したが、現在のような国際情勢をまともに考慮していない愚策である。ブッシュ政権でさえ、ロシアからの原油輸入拡大を目論んでいるのだ。
田中真紀子代議士・鈴木宗男代議士(橋本派)・辻元清美代議士(社民党)・加藤紘一代議士(親米派という話もあるが中国重視で北朝鮮国交回復志向ではある)と、“中国・ロシア・北朝鮮との関係拡大派”が追い落とされていく政治状況は誰が造りだしているものだろう?