米系格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4日、日本道路公団の長期発行体格付け「AA−」を据え置いた。格付けの見通しは「ネガティブ(弱含み)」とし、見直しを終了した。
S&Pは今回の据え置き理由について、同公団の民営化は徐々に進展しており、政府支援の減少が高速道路建設計画の削減と相殺されているためとした。
同公団の格付けは引き続き、1)政策運営機関としての役割の縮小、2)全国の高速道路網を司る国内唯一の事業者としての地位、3)有利な規制環境、4)高い有利子負債−−を反映している。
S&Pは見通しについて、既存の高速道路網の強みや、有利な規制環境が継続される可能性は高く、投資適格級の中でも上位の格付けに相当するだけの信用力を維持できると考えている。ただ、道路4公団の再編が同公団の事業と財務体質にマイナスの影響を及ぼす場合、格付けは引き下げられる可能性がある。
また、政府が再編の舵取りを誤れば、同公団の信用力は大きく低下すると見ている。新規道路建設が十分に検討されず、抜本的なリストラ対策を講じずに他の不採算の道路事業者と合併する場合は、特にマイナスの要因に働く、と説明した。