【ロンドン=大西康之】
石油輸出国機構(OPEC)非加盟の産油国がOPECとの協調減産体制から事実上離脱し始めた。ロシアの3月の原油輸出は前月比で日量13万バレル増え、ノルウェーも7月に減産を解除する方針を固めた。中東情勢の緊迫と米景気回復による需要拡大で原油価格は高騰しており、非加盟国は「これ以上の協調減産は不要」との認識を強めている。
ロシアの3月の原油輸出量は前月より13万バレル多い日量273万バレルに達した。市場関係者によると「カザフスタンやアゼルバイジャンの経由分を含めると、3月の輸出は日量370万バレルを超えた」という。
ロシア政府は3月20に「OPEC減産に協調し、4-6月も日量15万バレルの輸出削減を継続する」と発表していた。しかしロシアの石油企業は原油価格高騰で収益拡大が見込めるため、政府の方針を無視して輸出を増やしている。4月以降も輸出は増え続けると見られる。