【台北2日草間俊介】台湾の有力夕刊紙「中時晩報」やニュース専門テレビは二日、南アフリカの金鉱で約百年前の金の延べ棒が見つかったが、当時の中国人作業員が、孫文の組織した「中国革命同盟会」への援助資金として贈ろうとしたとの手紙がついていたと伝え、台湾中が一時大騒ぎとなった。
これは南アフリカの中国語紙「華僑新聞報」が四月一日報道したもので、延べ棒の価値は約二百万米ドル相当にのぼるなどと付け加えており、台湾のメディアが一斉に飛びついた。同盟会をルーツとする台湾の野党・国民党も同日、「事実ならば、政府は南ア当局に所有権を主張するべきだ」と強い関心を示した。
ところが外交部(外務省)が現地に問い合わせたところ、事実ではなく、中国語紙のおふざけと判明。台湾ではエイプリルフールの習慣はあまりなく、南ア紙にまんまとのせられた形だ。