【ワシントン=吉次弘志】
米通商代表部(USTR)は2日、米国から見た貿易上の問題点を相手国別に列挙した「2002年版・外国貿易障壁報告」をまとめた。日本について「過剰な規制が成長を阻害し、資源を最適に配分できず、企業家精神に富む革新が滞っている」と指摘した。
台頭する中国に関しては「巨大な潜在的市場」と強い期待感を表明すると同時に、「解消されるべき障壁が残っている」と強調。知的所有権の保護をさらに進める必要があるとしているほか、保険分野の市場開放の必要性を指摘した。USTRが2日公表した報告のうち日本関連は11分野54項目で、国別では最大の分量を充てている。内容別には電気通信、農業、医療機器、知的所有権などの分野を列挙した。電気通信分野は昨年同様、日本電信電話(NTT)グループなど独占設備を持つ業者に「支配的事業者規制」の導入を求めるなど、競争政策の強化を促している。