税制の抜本改革をめぐり、塩川正十郎財務相と政府税制調査会の石弘光会長(一橋大学長)が2日、互いに激しく“口撃”し合った。
仕掛けたのは“瞬間湯沸かし器”の異名を持つ財務相で、朝の閣議後会見で「政府税調はなまけている」と一喝。「政府税調は四十数人(の委員)でやっており、効率的かどうか。諮問会議は少数でやっているからドンドンと意見が出てくる。その意見は注目すべき意見が多い」とこきおろした。
これに対して石会長は夕方の政府税調会合後の会見で、「財務相からは、その時々で違った議論が出てくる。深淵(しんえん)な哲学があるから」と、学者らしく嫌みたっぷりに応酬。さらに、「基本理念を議論しないと、各論に入って根無し草ではいけない。カメが勝つか、ウサギが勝つかだ」と反論した。
財務相としては、諮問会議の“独走”を快く思っていない一方で、動きが鈍い政府税調にハッパを掛ける狙いがあったようだが、与党内からは「小泉首相が指導力を発揮せず、経済問題を他人任せにしているから、何も進まないだけ」との冷ややかな声が…。