本日(4・2)午前NHK衛星1で放送された「CNNニュース」は、ニューヨーク株式市場の値動きを報じるコーナーで、「政府やFRBが、米国経済は急回復していると説明していたにも関わらず、一部から発表された第1四半期(1〜3月)の企業業績が伸びていないことで、投資家が疑心暗鬼になっている」と報じた。
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日本政府や経済アナリストなども、ここ1ヶ月に報道された経済見通しのなかで、“米国経済の急回復が日本経済の先行きに明かり”のようなことを言っている。
米国企業の第1四半期が市場の予想を裏切った理由を結論的には言えば、
米国政府やFRBが景気回復の説明に使っているマクロ経済指標(GDPや鉱工業生産指数)がデフレーターで修正されたものであるのに対し、発表された企業業績は物価変動で修正されない生の数値だからである。
GDPなどマクロ経済指標は、最近の日本経済を見ればわかるように、名目が−1.2%でもデフレーターが−1.8%であれば、GDPは0.6%のプラス成長になる。
これは、1億円の収益しかないのに、“実質的”には1億180万円あったと見なすようなものである。
しかし、企業業績は、1億円の収益は1億円であって、デフレだからと言って、収益を嵩上げして考えたりはしない。そして、企業経営者は、そのような収益状況をベースに企業活動を決定していく。
デフレであれば、「お金を物や労働力に変えて、ある時間が経過してから再度お金を変える」という“正常”な企業活動を行う意欲が阻害されるのである。
企業の第1四半期業績は、市場の予想を裏切ったというよりも、市場がまともな経済データの取り扱いや経済観測ができなかったと言った方が的確だろう。
(ブッシュ政権やFRBは、経済状況についてこのような“誤解”が生じるように、意識的にデフレであることを覆い隠しつつ景気回復の“夢”を語ってきたのである。もちろん、後で非難を浴びないよう慎重な言い回しで...)
「インフレ状況下ではデフレーターで修正しなければ実質がわからないが、デフレ状況下では、経済指標を名目で見なければ見誤ることになる」
※ 現在進行中の米国経済「バブル崩壊」に関する参照書き込み
『【小泉政権と金融庁に警告!】2001年第4四半期GDP成長率を+1.2%上方修正『米国経済は急激なデフレ状況』で「バブル崩壊」が進む』
http://www.asyura.com/2002/hasan7/msg/621.html
『Re:米国経済は、とんでもないデフレに陥り、それを戻せるほどの購買力もないようです』
http://www.asyura.com/2002/hasan7/msg/757.html
※ 米国株式市場に関する意図的な破壊に関する参照書き込み
『「エンロン破綻」は“経済破壊=金融マフィアぼろ儲け”作戦の予行演習 <エンロンは今なお優良企業でSEC(米証券取引委員会)も共犯>』
( http://www.asyura.com/sora/hasan5/msg/1082.html )
※ 現在進行中の米国経済「バブル崩壊」の先にあるものに関する参照書き込み
『“戦後世界”は終焉を迎えている』
http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/226.html
『米国の「デフォルト宣言」→新世界通貨体制』
http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/237.html