武藤財務次官は、小泉首相が国債30兆円枠について柔軟に考えたいと発言したことに関して、2003年度の財政運営をあらためて明言する状況にはないと述べた。
定例会見で述べたもの。
小泉首相が、2003年度の新規国債発行30兆円枠は、状況を見ながら、大胆かつ柔軟に考えたいと発言したことについて、武藤次官は、「小泉首相の発言は、状況を見て判断するということ。まだ、2002年度が始まったばかりであり、今の段階で、2003年度の財政運営を明言するような状況にはない。税制のあり方についての議論も始めたばかりであり、これがどのように具体化するかにも影響される」と述べた。一方、「小泉首相は、財政規律を守るとも言っており、そういう観点も当然あると理解している」と述べた。
また、2002年度は30兆円枠を堅持しており、「これを適切に執行していくのが、我々の立場だ。補正予算は、今、念頭にない」と語った。
今朝発表になった日銀短観を踏まえた景気認識について、武藤次官は、「大局的に言えば、経済の後込みが底を打ちつつあるという今までの認識が確認された。2002年度は増収増益も見込まれており、企業活動は良い方向に向かいつつある」との見方を示した。
年度途中の税制改正ついて、武藤次官は、「一部にそういう議論があるのは承知している」としたうえで、「小泉首相も言っているが、まず、あるべき税制の姿を明らかにする必要がある。そのなかで、緊急にやるべきもの、やれるものをどうするかは、次の議論だ」と述べた。