日本の主な輸出企業が、2002年度上期(4-9月)の社内為替レートを2001年度下期(2001年10月―2002年3月)よりも円安・ドル高方向に見直した。昨年秋以降の円安基調が反転する可能性は小さいとみているためだ。見直し幅は5-10円程度と大きく、1ドル=130円に設定した例も目立つ。今後130円より円安水準では輸出企業の円買い・ドル売りが膨らみ、130円台半ばを下回るような円安を抑制する動きも予想される。
日本経済新聞社が主要輸出企業11社に聞き取り調査したところによると、昨年10月初めに設定した2001年度下期の社内レートは、1ドル=120円前後が多かった。2002年度上期については、11社のうち10社が円安・ドル高方向に修正。6社が130円とした。多くの輸出企業の間では、米国経済が回復の兆しをみせていることを受けて、「足元の日米景況感格差を反映し、円相場が反転する可能性は低い」(NKK)との観測が広がっている。日本経済の先行きはなお不透明感が強く、「少なくとも今年の前半までは円高のリスクは小さい」(キヤノン)という。