ペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)が1日、解禁される。金融機関の経営が破たんした場合、一部の預金の払い戻しを受けられないケースが今後、起こりうる。自己責任を問われる預金者は預け先の分散など自衛手段に動いている。預金者による選別の本格化で金融機関経営は試練を迎える。
ペイオフ解禁は二段階で実施される。1日から定期預金、信用金庫や信用組合の定期積金など定期性預金が全額保護の対象から外れ、元本1000万円とその利息分しか払い戻しが保証されなくなる。2003年4月には普通預金などの決済性預金も含め、全額保護される金融商品はなくなる。
ペイオフ解禁を受けて早々と自衛策に動いているのは地方自治体。徴収した税金などを預ける公金預金を守るため知恵を絞っている。東京都は自己資本比率、格付けなどからなる銀行選別基準をつくり、各行の2002年3月期決算と金融庁の特別検査結果の公表を待って16ある取引銀行を選別する。