金融庁は2003年3月期決算から、企業が米国会計基準で作成した連結財務諸表の提出を幅広く認める。これまでは国内基準での提出を原則としてきたため、一部の企業は日米2種類の財務諸表を作る必要があった。企業の負担が軽くなるうえ、これを機に透明性の高い米国基準の採用が広がる可能性があり、投資家にもメリットがある。
金融庁が新たに米国基準で作成した財務諸表の提出を認めるのは、ニューヨーク証券取引所に上場したり米国で社債を発行するため、米証券取引委員会(SEC)に登録している企業。日本基準と大きく異なる点がある場合には注記の記載を義務づける。
すでに米国基準での財務諸表提出が認められているのは日立製作所(6501)やソニー(6758)など25社。日本で連結財務諸表の制度が導入された1977年以前から米国基準で作成していた企業で、金融庁は特例として認めてきた。