昨年1月にペイオフを導入した韓国では、1人当たり5000万ウオンまでの預金が保護されている。為替レートで換算すると約500万円だが、韓国の経済規模や生活感覚を踏まえると2000万円程度に相当。上限が高いこともあり、混乱は起きず平穏に推移している。
ペイオフ導入後1年3カ月で、信金、信組が17件破たんしたが、銀行は1行も破たんしていない。信金、信組は小口預金が多く、5000万ウオンの保証限度額を超えたペイオフ対象者は約250人、カットされた預金総額も約27億ウオンにとどまっている。
全預金に占める小口預金の割合は金融機関によって大きく異なるが、多いところでは9割を占める。預金者側もペイオフ導入直前に預金を分散するなどの自衛措置を取っていた。
ペイオフ導入後も、大規模な資金移動は少なく、信金や信組では資金量は逆にわずかだが増えている。解禁前に相次いで起きた不正事件で一時、資金が大きく流出したことに対する反動要因もある。
金大中政権による金融機関の構造改革も功を奏しており、これにペイオフ導入が作用、韓国では金融機関の体質改善が着実に進んでいる。(ソウル共同)