NTTグループが2002年3月期連結決算で、海外投資の損失や合理化費用の増加などにより、約2兆円の特別損失を計上する見通しであることが30日明らかになった。この結果、最終赤字は日産自動車が2000年3月期で計上した6843億円を上回り、事業会社としての過去最大を更新しそうだ。最終赤字は1兆円規模となる可能性もある。
携帯電話会社のNTTドコモが、海外投資に関連した約1兆円の特別損失を計上するとみられるほか、NTT東日本と西日本の両地域会社が約10万人の合理化に伴い、追加希望退職者約4400人の退職金を含む合理化費用の増加分などで約5000億円を新たに損失処理する見込みだ。
NTTグループは昨年11月の中間決算発表で、02年3月期の業績について、事業会社では最大規模となる9440億円の特別損失の計上と、最終赤字3310億円を予想していた。
ドコモは、携帯電話によるインターネット接続サービス「iモード」や第三世代携帯電話の国際展開などを目的に、欧米やアジアの携帯電話会社に約1兆8000億円を出資してきた。昨年9月中間決算ではKPNモバイル(オランダ)の評価損約2600億円を計上。今年3月期では、株価が落ち込んでいる米大手AT&Tワイヤレスの評価損などを損失処理する方針だ。
また、長距離・国際通信のNTTコミュニケーションズも業績悪化の米通信子会社ベリオの合理化費用として、約1000億円を新たに損失計上するとみられる。