【シリコンバレー29日=京屋哲郎】米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は、急速な回復が見込まれているアメリカ景気の先行きについて、「景気を引っ張る“機関車”役が見あたらず、回復力は非常に弱い」とする報告書を発表し、過度の楽観論に警鐘を鳴らした。
報告書は、米国の個人部門が多額の負債を抱える一方で貯蓄が少なく、「(今後予想される)利上げによる負担増で、消費が冷え込む可能性がある」と指摘した。企業部門についても、ハイテクブームで巨額の投資を行った直後のため、今後、1、2年は設備投資の回復は難しいとの見方を示した。このため、景気の回復力は弱々しく、再び失速する可能性も否定できないと報告している。
(3月30日10:24)