公募地方債の引受手数料引き下げに伴って、シンジケート団を離脱する金融機関が出てきた。三井住友銀行と新生銀行は、北海道が4月に発行を予定している公募地方債の引き受けを辞退。東京三菱銀行と新生銀行は、5月に大阪府が発行を計画している公募地方債を引き受けない。いずれも財政悪化の指摘されている自治体で、銀行による選別の動きと言えそうだ。
公募地方債は2002年度から発行条件に市場原理をとり入れる方向で改革が進んでいる。しかし、当初は東京都を除き、他の27自治体は同1条件とすることが決まっている。一方、引受手数料は大半の自治体で現在の100円につき75銭から48銭へ大幅に引き下げられることになったため、一部の金融機関は不満を募らせていた。今回、引き受けを辞退する銀行も手数料への不満が直接の引き金と見られる。
北海道では、三井住友銀と新生銀の引き受けシェアについて「他の証券会社や銀行に引き受けてもらうため問題ない」(財政課)としており、計画通り発行する方針。大阪府も5月に起債する予定。