財務省は29日、2002年度の同省の政策目標をまとめた「政策実施評価計画」を発表した。財政運営について、小泉純一郎首相の公約である来年度に国債の新規発行額を30兆円以下に抑える方針を盛り込まなかった。国債30兆円枠は小泉首相の財政運営の象徴だけに、政府・与党内に波紋を広げそうだ。
来年度予算の国債発行額は30兆円枠をすでに使い切っている。財務省は国債枠を盛り込まなかった理由について「政策目標に明記すると、与党が求める補正予算の編成の可能性をこの時点で否定することになる」と説明している。
政策実施評価計画は2001年の中央省庁再編に伴って各省庁が毎年度つくることになった。財務省は税制や財政投融資、国債管理政策など47の政策を明記。そのうち15の政策に数値目標を設けている。