米証券取引委員会(SEC)法規執行当局はこのほど、米証券大手ゴールドマン・サックス・グループが非公開情報に基づいて米国債取引を行ったとして同社を提訴する計画だと通達したことが29日、事情に詳しい関係者の話で明らかになった。
SECが調査しているのは、ゴールドマンが雇っていたコンサルタントが、昨年10月31日の米財務省の30年国債発行停止発表を、事前に同社トレーダーに伝えていた事件。発行停止発表で米国債相場は急上昇し、30年物債券相場は1日としては過去14年間で最大の上げを演じていた。
今回のSECの通達は、証券会社に対して民事訴訟を起こしたり、行政手続きを取るよう法規執行当局がSECに勧告する直前の段階。一部の法律関係者によると、SECが提訴に踏み切れば、ゴールドマンにとって債券のインサイダー取引では初めて訴訟事件となる。ゴールドマンの広報担当のプラーグ氏とSECのカトラー法規執行局長、財務省の報道官ホラハン氏、ゴールドマンに雇用されたコンサルタントのデービス氏は、いずれもコメントを拒否している。