英ケーブルテレビ(CATV)大手NTLは社債の利払い継続に十分な資金を調達できない可能性があり、デフォルト(債務不履行)に陥りかねないと市場関係者の間で指摘されている。NTLは債権銀行団や債券保有者と175億ドル(約2兆3200億円)の債務再編交渉に臨んでいるが、デフォルトになった場合、その規模はジャンク(投資不適格)級の社債としては欧州最大となる。
NTLは10月までに交渉を決着させる考え。同社が十分な資金を確保できるのは9月分までとみられている。ヘンダーソン・インベスターズで約9億ユーロのジャンク債運用を手掛けるマクマホン氏は「NTLはデフォルトするだろう。その時期は比較的早いうちに訪れるだろう」と指摘する。
ブルームバーグ・データによると、NTLは23、25日に合計9300万ドル、4月15日に1770万ドルの利払い期限が到来し、年内には8億2450万ドルの利払いを迫られる。一方、昨年9月末時点の手元資金は5億2010万ドル。「現金残高の減少で次回の利払いが実施できない可能性は高い。だから、債権者との合意は差し迫っているかもしれない」(RABキャピタルのヘッジファンド・マネジャー、ガーガー氏)との見方も出ている。