銀行や事業会社の決算に大きな影響を与える3月最後の取引日である29日の日経平均株価(225種)は、1万1000円台を維持した。2月に付けたバブル崩壊後の最安値から約17%回復、株安を引き金とした金融システム不安による「3月危機」は一応回避されたものの、日本経済は依然デフレスパイラルに直面しており、危機の火種がなおくすぶる中で新年度を迎える。3月中の上昇基調は空売り規制強化など政府による市場対策の効果が大きく、実体経済の改善が伴っていないだけに「減税や追加デフレ対策の状況次第では、再び1万円台を下回りかねない」(大手証券)危うい状態だ。この日も軟調な値動きに終始し、前日比で300円以上下げた。