[東京 28日 ロイター] 米投資銀行リップルウッド・ホールディングズのティ
モシー・コリンズ代表取締役(マネジングディレクター、CEO)はロイター通信との
単独インタビューで、同社が出資する新生銀行について、来年3月までに株式の上場は
可能との見方を示した。
新生銀行は2000年3月の発足時に3年以内に株式を公開するとの目標を掲げた
が、同氏は「(その目標は)達成できる可能性がきわめて高いと思う。銀行経営の立て
直しは目を見張るほど順調に進んでいる」と述べた。
リップルウッド社は新生銀行を設立した後も日本コロムビア<6791>など5社の株式
を買収しており、日本企業への総投資額はこれまでに1500億円に上っている。同氏
は今後の対日投資戦略の詳細については明言を避けたが、新生銀行の買収とは別に、一
般企業をターゲットにした資金として2006年までに1400~1500億円(買収
した5社への投資も含む)を確保していることを明らかにした。
今後の投資分野として食品、自動車部品、化学、電子部品、家電、リゾート、ヘルス
ケア、医療機器などを列挙。同社が日本の様々な産業分野で投資戦略を展開する計画で
あると強調した。
新生銀行株式の上場する計画について、同氏は同銀からの投資引き揚げが目的ではな
く、むしろ上場後は増資によって経営の拡大を図る可能性が高いと指摘。「出口をさが
すことを急いでいるわけではない。目標はこれまでどおり事業を強化することであり、
顧客にサービスを提供することだ」と述べた。
また、瑕疵(かし)担保特約の行使に批判が出ていることについては、「人々は理解
を深めており、批判の声も小さくなっている。だから、(新生銀のビジネスに)大きな
障害があるとは思えない」と語った。また、新生銀と無関係の企業も多く倒産してい
る、とつけ加えた。
その上で、「新生銀が行おうとしているのは、過去の経営陣が、倒産した企業の多く
の質の悪い事業に資金をつぎ込み、納税者の資金を無駄にしたこととは、関係がない」
と語った。さらに、事業を進めていく中で、「納税者の資金を自らの資金のように有効
に活用し、過去の経営失敗によるコストを最小化することがわれわれの義務であり、実
際そうしていると思う」と述べた。
(03/29 00:04)
http://www.asahi.com/business/reuters/K2002032803311.html