「日本経済停滞の原因は企業がぼんやりしとったから」−−。塩川正十郎財務相は29日午前の参院金融問題・経済活性化に関する特別委員会で、政府の経済財政運営の責任転嫁ともとれる持論を展開し、野党議員から反発を買った。
財務相は「企業がもっと早く構造改革をして、世界の進展に合わせていくべきだったが、過去の成功に酔ってその切り替えが遅かった。最近になってやっと経済界も意識を変えて、自ら経済の構造改革をしようという動きが今年から活発になり始めた」と主張。そのうえで、「来年あたり、(日本経済は)ずっと変わってくる。間違いない」と日本経済の再生に自ら太鼓判を押した。
財務相の発言に、質問者の桜井充氏(民主党)は、「ボーッとしていたのは必要な時に構造改革を行わなかった政府ではないのか」と反論。しかし、財務相は、「政府が積極的に構造改革をしようとしても抵抗があり、なかなか進まなかったことも事実。政府や民間だけではない。ただ安易に追加で補正予算を出して公共事業をやっておったらいいという政府(の財政運営)を認めていた国会にも責任がある」と述べ、さらに責任論を拡大させた。
桜井氏は「われわれはずっと構造改革をしようと言い続けてきた。今になってやっと官僚組織をどうしますか、特殊法人どうしますか、という議論になっているが実行に移されていない」と述べ、あきれ顔で質問を締めくくった。