日本銀行は29日午前、金融調節を通じて金融市場に大量の資金を残し、金融機関が自由に使える手元の資金量を示す日銀当座預金残高(見込み)を前日より5兆7000億円多い27兆7000億円程度に積み上げた。コンピューター西暦2000年問題へのリスクに備え資金供給を増やした2000年1月4日の23兆6000億円程度を上回り、過去最高を更新する。
日銀は、2月末に決めた量的金融緩和策の拡大に伴って、3月末に向け資金供給量を増やしてきた。「3月の決算期末の最終営業日の市場安定に万全を期す」(金融市場局)としている。
この日は政府が民間の金融機関に向けて公共事業費などを大量に支払うため、その分、当座預金は膨らむ。日銀は資金を市場から吸収せずに放置することによって、金融機関の手元に大量の資金が残るようにした。当座預金は昨年3月末の5倍近くに達する。