4月からのペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利子までとする措置)解禁を前に定期預金から普通預金への資金移動が加速している。大手都銀5行の個人の流動性預金(貯蓄預金を除く)は2月末までの1年間で約11兆円増えた。4月以降も全額保護が続く普通預金への資金集中を抑えるため東京三菱銀行は4月から普通預金金利を年0.001%に下げることを決めた。
日銀の2月時点での集計では、定期性預金が前年同月比6.4%減と、統計開始以来最大の落ち込みになる一方、普通預金など流動性預金は同22.1%増と、1973年10月以来の増加率になった。
普通預金の増加が目立つのが大手都銀だ。三井住友、UFJ、東京三菱、第一勧業、富士の5行の流動性預金は2月末時点で約43兆円と、前年同月比で約11兆円増えた。預入額が1000万円を超える大口定期預金が約4兆円減ったのが主因だが、相次ぐ中小金融機関の経営破たんを背景に、規模が大きい都銀に預け替える人が増えたことも影響した。