03年春の新卒採用は「氷河期」に逆戻り――。朝日新聞社が主要100社に行った採用計画調査で、前年より「減らす」と答えた企業は34社にのぼり、「増やす」(11社)の3倍を超えた。即戦力を獲得するための中途採用をより重視する傾向もみえ、来春の就職を目指す学生にとっては、厳しい状況になりそうだ。
調査は3月上旬から中旬にかけて、大学(大学院を含む)、短大(高専、専門学校を含む)、高校卒のそれぞれの03年採用予定と02年実績を聞いた。「前年並み」が36社、「未定」が19社だった。
前年の調査では39社が「増やす」と答え、「減らす」の8社を大きく上回っていた。今回は、「増やす」が7割減となった一方、「減らす」は4倍以上になった。02年の新卒採用は、久しぶりに「薄日がさした」とも言われたが、再び厳しい「冷え込み」となった。昨年の米国でのITバブルの崩壊や同時多発テロなどによる日本経済への悪影響が、採用活動の重荷になっていることが裏付けられた。大卒や総合職の採用計画の特色について、「厳選採用」をあげた企業が目立った。
業界別では、IT(情報技術)バブル崩壊の影響をもろにかぶった電機、再編やリストラを進める建設、銀行、証券、保険などに新卒の採用を抑制する企業が多かった。(01:59)