大手銀行12行の3月末の不良債権残高が2001年9月末と比べ2割強増え24兆円強になる見通しとなった。1年前と比べると4割弱の増加になる。景気悪化に加え、金融庁の特別検査で貸出資産の査定を厳格化したためだ。大手銀は貸出先の再建・整理により残高を圧縮しようとしているが、それを上回る規模で不良債権が発生。政府は不良債権の中でも特に問題のあるものについて3年以内の最終処理を迫っており、経営不振企業の再建・整理がこれまで以上に急務となる。
大手13行(三和銀行と東海銀行は今年1月に合併)の不良債権残高は昨年3月末時点では17兆6800億円だったが、9月末時点では20兆1400億円に増えていた。昨年秋から始まった特別検査などを受け大手行は今3月期で貸出資産の査定をさらに厳格化。デフレによる経営不振企業の増加とあいまって不良債権残高はさらに4兆円強増える見通し。