アルゼンチンでは26 日、通貨ペソの急落を受けて政府系金融機関の国立銀行前に数千人の市民がドル買いを求めて列を作った。これを受けて同国政府は治安部隊を出動させ、同行の警備に当たらせている。
ペソの対ドル相場は25日、1ドル=3.9ペソと過去最安値を更新。21日には1ドル=2.59ペソだったが、過去2日間に急落している。ただ26日は、中央銀行がドル売り介入を実施し、輸出業者や銀行にペソ買いを要求する措置を講じたことから、ペソは上昇した。両替所では1ドル=3.15ペソで取引を終えている。
ブエノスアイレスの繁華街では、25日深夜から市民が銀行の前に列を作り、 26日明け方までには数ブロックにまたがるほどの長蛇の列になった。
市民の間では、ペソ相場の安定や景気てこ入れをめぐるドゥアルデ大統領の政策運営能力に失望感が広がっている。エコノミストの間では、同大統領が1月に始まった変動相場制を放棄し、固定相場制の復活を迫られるのではと指摘されている。